仙台YMCAと共にいてくださるみなさまへ

主の御名を讃美いたします。

東日本大震災から9年の月日が流れました。2011年3月11日、その日に起きた経験のない大災害による悲しみと困難は、津波被災地、福島第一原発事故被災地のみならず、日本全国そして日本に思いを寄せる世界中の人々に、いつも通りの生活がいかに自分にとって大事で幸せなことだったのかを知らせてくれました。2011年秋頃、南三陸町志津川の被災した総合防災庁舎跡近くに、「昔のままの未来にむかって」と、泥で汚れ傷んだべニア板に黒ペンキで書かれた被災者からのメッセージを目にしたことを、今でも忘れることが出来ません。家族や友人を失い、思い出のつまった家も失い、楽しかった昔の思い出も失い、明日への希望も失った被災者にとって、何よりも望んだことは、新しく生まれ変わる故郷の姿ではなく、大震災の前に普通に暮らしていた「昔」のままの生活だったのでしょう。

あらためて9年間を思い返せば、仙台YMCAと仙台4ワイズメンズクラブは、全国のYMCAや全国のワイズメンズクラブ、そしてボランティアと共に、小さく弱いながらも、被災者との繋がりを続けてくることが出来ました。そして、困難の中にある被災者と繋がり続ける努力によって、私たちは現実を学び、経験を積み重ね、神さまによってこの地に生かされてきたことを覚えます。

東日本大震災から10年目のスタートになる2020年3月11日に、仙台YMCA常議員である日本基督教団石巻栄光教会川上直哉牧師からのメッセージをみなさまにお届けいたします。誰よりの被災地に足繫く通い、多くの被災者の話に耳を傾け、心の訴えを受け止めてきた川上牧師のメッセージに目を止めていただければ幸いです。

残念ながら、予定されていた「仙台YMCA 東日本大震災被災者追悼礼拝」は、新型ウイルス感染防止のために、開催を中止させていただきました。しかしながら、みなさまそれぞれが、その場で、3月11日を思い、祈りを合わせることが出来れば幸いです。私たちは、これからも、困難にある方と共にいる仙台YMCAであり続けたいと存じます。

2020年3月11日

仙台YMCA

 会 長  菅 野  健

 議 長  清 水 弘 一

 総主事  村 井 伸 夫

川上牧師のメッセージ